シンガポールで教えてきたこの数年間、適切な費用ってどのくらいなんだろうか、ってずっと考えてきました。
払う側がどう感じるかは、その人が太極拳にどの程度関心を持っているか、習おうとしていることをどこまで極めようと思っているかという要素にかなり依存します。もちろん、その方の収入やその他の支出にも影響されはしますが、習おうと思っているものが自分の今もしくは将来にきっと役に立つ、と信じることができれば、それなりの金額を払うことはできるようです。現に、グループレッスンを始めるときには、授業料が高い、と言っていた生徒さんが、さらに深く学びたいがために、もっと高価な個人レッスンを受けるようになったことは多々ありました。
教える内容が簡単に興味を持ってもらえて、他では学ぶことができないものだと認められれば、それなりの費用を支払ってくれるのでしょうが、学校を始めたばかりの段階では、強気に出るのはなかなか難しいです。
ターゲット顧客をどこにおくのか、というのも重要だと言われます。お金に余裕がある人しか通えない、というような学校にはしたくありません。とはいえ、教える側の事情もそれなりにあります。
教える側からすると、学校運用のための費用を賄うためには、どの程度の負担を生徒さんにしてもらわなければならないか、というのがいちばん大きな要素です。生徒さんを増やすために授業料を極端に低くすると、仮に生徒さんが思ったように集まっても、費用を賄うことができず、学校が行き詰まることになります。低い授業料のおかげで生徒さんが集まりすぎると、いろいろなところに歪みが出て、下手をすると教える内容にまで影響が出ます。
もう一つ考えておく必要があるのは、一度設定した料金はなかなか上げづらい、ということです。日本は料金の引き上げに対する抵抗がシンガポールよりも高いと感じています。シンガポールのレストランは、値上げをする際にいちいちお客に謝ったりしません。
これらのバランスをうまくとって適切な費用が決まると良いのですが、個人でスタジオを持っている太極拳教室ってそれほど多くない現状では、参考にできる情報もそれほど多くはありません。
本当は、受けたレッスンの内容に対して自分が払える金額を払ってください、というお賽銭方式にしたいのですが、日本ではあまり根付かない、うまくいかない方法だと感じます。インドなんかではそれで有名なレストランがあったりするのですが。仏教のお布施の考え方がそれなりに浸透しているようです。
あれこれと考えて、会費を二つのパターンに分けることにしました。一つは、毎月定額を払うパターンです。都合の良い時に来てもらい、特に参加する回数に上限を設けないようにします。月会費は1万円を想定しています。3ヶ月まとめて払ってくれる人には割引をします。
いきなり1万円も払いたくない、価値を見極めたい、定期的に通うことが難しそうだ、という人のために、都度払いのパターンを設けることにしました。体験レッスン的に、本当に一度だけの場合には、2,500円、3ヶ月有効の10枚チケットの場合には、15,000円。月に7回以上通える人は、月会費の方がお得です。
先日のブログにも書いた通り、太極拳を学ぶには積み重ねが大切なので、できればチケット制は2年目ぐらいからはやめたいです。それまでに、多くの人に呉式太極拳教室「太極の小径」はそれなりのお金を払う価値がある、と認められるように頑張ります。
関心を持っていただけた方、下記より是非ご連絡下さい。
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これからもいろいろな話題を紹介していきます。
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