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執筆者の写真Mitch Sato

罰金の功罪

こんな記事を見つけました。


「ゴミのポイ捨てをなくすため「罰金22万円」を科したシンガポールで、ポイ捨てが“増えた”ワケ【行動経済学】」



シンガポールって住んでみると、表と裏の顔がある、というか、地元の人が住んでいる居住区域については、必ずしも外国の人がイメージするほど綺麗ではないと思います。ゴミの分別はほとんどないし、タバコのポイ捨てもなくはありません。綺麗な観光地とは裏腹にいろいろな汚いところが隠されている感じを持ってきました。



さて、この記事は、一般に綺麗とされているシンガポール、国民や観光客に、国を綺麗にするために罰金を貸した結果、それがむしろポイ捨てを助長するようになってしまった、っていうことを書いています。凄まじく簡略化してその理由をまとめると、罰金を免罪符として捉えてしまうから、ということです(詳しくは、リンクの記事をお読みください)。


ゴミをポイ捨てしても、罰金を払えば許される、罰金を払えば良いということを免罪符にして、国を綺麗に保ちたいという本来持っているはずの意識が薄れてしまう、ということです。


これと似た経験を自分でもしました。禁酒、節酒をしようと決めた時、1合飲んだら貯金箱に千円入れる、飲みたければ千円払う、って決めたことがあります。初めのうちは、千円節約したいので飲まないでおこう、っていう感じで、罰金が機能するのですが、しばらくすると、払えば飲めるんだ、っていう意識のすり替えが起きました。こうなってしまうと、歯止めが効かなくなります。従来は、週に何日かは休肝日を作ろうという努力があったのに、その意識が薄れていきました。


お金で何かを解決することは、目の前の解決法にはなるかもしれないけど、あるべき解決法には結びつかないようです。


何かをしなければいけない、 何かをしてはいけない、という決まりは、目に見える「形」がありません。「「形」がないものは変化してもなかなか気がつかない」、と合気道の藤平光一さんが「一流の人が学ぶ氣の力」という本に書いていました。


籐平信一さんのこの一節を読んだ時、自分の太極拳の練習に思いを馳せました。練習をすることが目的となってしまっている気がしました。本来は、太極拳を少しでも極めて、どんな時にも動じない心と身体を作ることが元来の目的であったはずでした。それ以来、毎朝、練習をする前に、何のために朝練をするのかをノートに書いて、自分の目的がぶれていないかを確認することにしています。


自分の達成しなければいけない道は、まだまだ遥か彼方、という感じがします。


太極拳は、学ぼうと思ったらこんな感じで深く学べるものです。一生の趣味として、はじめの一歩を踏み出してみませんか。はじめの一歩は是非、「太極の小径」での体験レッスンでどうぞ。


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