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生徒さんが感じた太極拳の進歩過程

執筆者の写真: Mitch SatoMitch Sato

もう2年近く個人レッスンで教えている生徒さんがいます。週に二度きちんと通われています。自宅でもきちんと練習をしているようで、108ステップある套路をすでに一度学び終え、現在ステップごとにより正確にできるように修正を加えています。


うちの108套路は、通常、三部に分けて教えます。この生徒さんの場合は、初めて第一部を学び終えた後、しっかりと理解してもらうために第一部をもう一度教えました。本日第一部の修正を終えたのですが、第一部に関しては、これで三巡目が終わったことになります。


元々、バレエをやられていて、身体を動かすことに興味のある方なので、教え始めた当時からわからないことははっきり質問するし、わからないことはわからない、できないことはできない、ときちんと伝えてくれる生徒さんです。面倒くさいと感じないことがないとは言いませんが、適切にフィードバックをくれるので、助かっています。特に最近は、教えたとおりの動き方で動くと、特定の筋肉が張る感じがあるけど正しいか、なんて質問もしてくれます。


教える側は生徒さんによって育てられるというのがこれほど当てはまる例はないと思っています。生徒さんのたくさんの質問のおかげで、いろいろな動きに関して、私自身もいろいろと考える癖がつきました。特定の動きができない理由も考えるようになりました。


例えばある動きをするとき、身体のどこに回転軸を置いたらよいか、なんて今まではあまり考えませんでした。身体を回転させるときは、なんとなく背骨が回転軸になると思っていたのですが、それでは説明できないことがあまりに多すぎて、その考えを改めるきっかけを与えてくれました。


その生徒さんが今日のレッスンの後、三巡目の学習で、やっと身体をどう動かすか、ということがわかってきた、と言っていました。一巡目は動きをフォローするので精一杯。二巡目は覚えることで手一杯。三巡目になってやっとどう動くとスムーズにうごけるかを学ぶ余裕ができたそうです。


自分が考えている理想の進化の仕方なので、これを聞いた時、正直嬉しかったです。2年間教え続けたことは無駄にならなかったと感じました。


その後、こんな学び方のできる教室は今まで出会ったことがない、とも言ってくれました。


太極拳をしっかりと学び続けて、こんなレベルの生徒さんをもっと育てることができ、その方々がやってよかったと思っていただけるような学校づくりがしたいと思います。


ちなみに、身体の動きを理解できた後は、どうやって心を落ち着けて、動かしていくかということが主眼になっていくと思います。そこを教えるには自分もまだまだ鍛えないといけないです。




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