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執筆者の写真Mitch Sato

更なる悩み - 立っていること

なんだか毎日のように新しい問題が湧き起こってくる感じがします。なんか悪いことでもしたのかな、と勘ぐりたくなります。


10年前、東京で太極拳教室に通い始めた頃、「立つことは難しい」ということを初めて聞きました。初めて聞いた時の感想は、正直言って「???」でした。普段から当たり前に二本足で立っている、特に問題も感じない、何が難しいのだろう?と思いました。


しばらくして、太極拳の練習に、無極功というただ立っているだけの練習があると知りました。少しは太極拳について理解をし始めていて、どうも体の力を抜かなければいけないらいしい、という思いで立ってみました。でも、体のどこに力が入っているのかよくわからない。問題の所在がわからないから難しいのかな、というのがこの当時の感想です。



今朝、無極功を20分ほどやりました。この間師匠に立っている時に腰が右方向にずれている、と指摘されていたので、それを修正しようと思って、腰を左方向に移動させて立ってみました。なんとなく座りが悪い。体の色々なところに無理がかかっている感じがする。肩に入っている力を抜こうとすると、首が前に出る。首をまっすぐにしようとすると、左右のバランスが悪くなる。左右のバランスをとりあえず取ろうと思うと、体が右方向に傾く。結局元の状態に戻って、もう一度やり直しです。この繰り返しをなん度もやっていくうちに、何が正しいのか全くわからなくなりました。


鏡の前でやっているわけではないので目で確認することはできません。頼りになるのは、足の裏の感覚が左右一緒になっているかなのですが、これもなかなか難しい。足の裏に均一に体重がかかるわけではなくて、色々な方向に傾いてしまう。これを治そうとすると体がまた揺れる。


最後は立っているのが嫌になってきました。立てていれさえすれば良い、という初めの頃と、何が正しい立ち方なのかを求めるようになった今だと全く立っている時に考えていること、やろうとしていることが違います。


何かの本で読みましたが、人間は立っている時、バランスを取るために常に微妙に揺れているそうです。いくら体をカチカチに固めて直立で立とうとしても、揺れを完全に断つことはできません。ただ、体に力を入れると筋肉で感じかれるバランス感覚が鈍くなるので、揺れを感じることが難しくなり、結果として揺れてないと考えることはあるかもしれません。


昨日の「欲」と同じで、どういう状態が正しい「立ち方」なのか、答えはまだまだ出そうもありません。立っていることが嫌でも、それが修行で、それによって自分が高められるはずだと信じて、やり続けるしかないです。


正しい方向なのかはわかりませんが、立つトレーニングをやる時のとりあえずの目標は、身体中の余分な力を可能な限り抜くことです。肩、首、腰、背中、足、手首等々あげ始めたらキリがありません。そして、呼吸を整えて、心を整える。とても安心した楽な気持ちで立ち続けることができるようになる日が来ることを信じて、毎日無極功を続けます。


でも、悩みが多くなってきているってことはまだまだ欲深いってことなんでしょうかねぇ?




 

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