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執筆者の写真Mitch Sato

套路の量と質

套路5000回を超えた後の師匠との会話です。



昔は、一日に5回ぐらいできたときもありました。一番回数が多かったのは一昨年で、年間で1200回を数えました。一日3回以上になります。平均で3回ってことは、多いときには5回、あるいはそれ以上やっていないと達成できない数です。どうしてもやれない日はありますので。


今はというと、2回が限度かな。3回やると次の日に疲れが残る気がします。


こんな感じで回数が大幅に減ったことを師匠に話すと、それは当たり前だといわれました。昔は今ほど細部に意識を払うことができていなかったし、何よりも腰を落とし、気を落ち着け、歩幅を可能な限り(姿勢に影響の出ない範囲で)広くする、というのもできていなかった。ただ表面上の動きを追うだけであれば、何回でもできる。それだけ成長したということで、これからは数を追わず一日1回から多くても2回程度にするようにとのことでした。


太極拳も続けていれば、体力もついてきます。私の場合は、もともと自転車乗りとしてかなり身体を酷使していたので、そのころからさらに体力が付くというのはあまり考えられません。太極拳をやるのに必要な筋肉はついたと思いますが。


これを相殺してくれるのが、加齢による体力の衰えです。いくら頑張っても自然の摂理にはかないません。瞬発力はもちろん、持久力も徐々に衰えていきます。体力の回復にもより長い時間が必要になってきました。これが、套路の回数が減ってきた大きな原因だと自分では思っていました。だとすると、仕方がないな、というあきらめもあって、減ってきた回数を無理に増やすことはしませんでした。消極的な撤退です。


今回の師匠の話、質が上がったから回数を重ねることが難しくなった、というのは、本当にうれしいですね。消極的に回数をあきらめる必要はないわけです。毎日1回しかできないぐらいに質を上げればいいわけです。その方がいい加減に3回やるよりはいいわけです。回数が増えないことを積極的に受け入れることができます。


同じことをあまり知らない人に言われてもあまり意味はないかもしれませんが、自分の衰えと成長を毎日見ていた師匠に言われると大きな意味があると感じます。


套路の質を高め、空いた時間は、読書と、体力回復のためのストレッチに使いたいと思います。套路以外の作業がさらに自分を高めてくれそうな気がします。



これからもいろいろな話題を紹介していきます。

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