太極拳の効果は様々なものがあります。効果を語り始めるときりはないのですが、今日はとりあえず比較的わかりやすいものにとどめて紹介したいと思います。
私の教室では、太極拳を初めてまず初めに感じられる効果として目指しているものは、足腰の強化です。長く歩いても疲れない、階段を登っても息切れがしない、そのための筋力をつけることが初期の目的になります。これは、数週間で比較的簡単に感じることのできる効果です。
ただ、注意していただきたいのは数週間で感じられるようになったものは、トレーニングを辞めてしまうと驚くほどのスピードで失われます。シンガポールでは旧正月の時期に2週間程度学校がお休みになるのですが、ほとんどの生徒さんはこの期間にトレーニングをお休みしてしまうため、再開した際に改めて足腰のトレーニングを行う必要があります。
継続は力なり、という言葉の通りです。当教室がミッションとしている「100歳まで自分の足で歩く」ことは、この延長にあります。
比較的感じやすい効果として、肩こりの解消も挙げられます。太極拳のゆっくりとした動きは、身体の余分な力を抜くことを目的の一つとしています。肩こりは、首や肩周りの特定の筋肉の緊張が大きな原因の一つだと考えられます。本校の基本トレーニングを行いながら、ゆっくりとしたペースでのんびり体を動かすことが筋肉の余分な緊張を解きほぐします。
肩こりのもう一つの大きな原因はストレスです。太極拳のゆっくりとした動きを行うことで、身体だけではなく、心もリラックスさせていきます。肩こりを原因から解消していくことにつながります。
姿勢がよくなることも大きな効果の一つです。普段はなかなか意識できないことですが、立っているだけでも余分な筋力を使っていることがよくあります。例えば、足の裏のつま先側に体重がかかり気味で全身が少し前傾して人は結構多いようです。この姿勢だと前腿に余計に負担がかかって、長い時間経っていると膝痛につながることがよくあります。
太極拳ではスムーズにまっすぐな姿勢で動きをするために、体重をどこにかけるかを重視します。不必要な筋力を使わず、まっすぐな姿勢を維持するトレーニングを繰り返す結果、姿勢が改善につながります。
姿勢が改善され、猫背が治ると、呼吸が深くなることがよくあります。深い呼吸は精神的なリラックスにつながります。また、しっかりと酸素を取り込むことで、脳により多くの酸素が行くようになり、痴呆症予防になるとも言われています。
痴呆症予防という観点から見ると、太極拳は単なる表面的な運動ではなく、様々なことを覚えなければいけないため、痴呆症の予防につながります。当校の場合だと108のステップを覚えなければいけないですし、動きの背景、理論的な背景等々、身体だけではなく、頭も多く使います。
ここにあげた効果は比較的容易に感じやすいものにとどめてあります。表面的な動きだけではなく、内面の動きもリラックスさせることでさらにストレスを減らすこと、全身をリラックスさせることで個々の体の部位がどんなふうに動くのか、どの筋肉をどのように動かすのが効率的なのか、身体の中の様々なバランスをきちんと維持することで免疫性を高め医者いらずの体を目指していくことなど得られる効果は非常に多くあります。
どんな理由であれ、太極拳に興味を持っていただいた方が、気楽に始めることができる環境を作っていきたいと思います。
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