私のホームページに初めて問い合わせがありました。なんだかちょっと嬉しかったので、いただいた質問にお答えするために、ちょうど書こうと思っていた内容を紹介します。
まず、太極拳にはいわゆる流派のようなものがあります。主だったものは、楊式、陳式、呉式です。うちの教室で教えているのは呉式になります。それぞれがどんなふうに違うかを本来であれば説明すべきなのだと思いますが、私はほかの二つをきちんとは学んだことがないので、それに関してあれこれ言うのは誤解を招くだけなので、やめておきます。
呉式の特徴ですが、比較的動きが小さいことが一つの特徴です。肩幅より外に手足が出ることはほとんどありません。足を極端に上げることもないので、柔軟性に心配がある方でも、問題なくできます。それと、足腰の鍛錬に特に注力します。今いるシンガポールの学校の生徒さんも、足腰が強くなったというコメントをしてくれる人が多いです。
それぞれの流派に、套路(とうろ)と呼ばれるものがあります。太極拳の練習をやるときに、無作為に動作を選ぶのではなく、様々な動作を行う順番であったり、どう動くべきであったりを標準化して、一連の流れにしたもの、と言ったらいいでしょうか。
この套路にも様々なものが存在します。よく目にするのが数字がついているものです。24式、32式、48式、108式などなど。これは套路に含まれる動作の種類による分類です。24式というと24種類の動きが含まれていることになります。必ずしも24個の異なる動き、というわけではありません。特に数が大きい場合には、同じ動作が繰り返し出てくることもよくあります。
上記に述べたそれぞれの流派の開祖から引き継がれている套路は比較的長いことがあり、動きも複雑で習得が難しいことがあります。うちの教室で教えているのは、108式になります。108の動きがあるのですが、これを構成している異なる動作は37種類になっています。
こういった性格をもつ「伝統拳」に対して、太極拳を一般大衆に普及させるために中国政府が作り出した「制定拳」と呼ばれるものが存在します。それまでバラバラに存在していた様々な流派の動きを一つにまとめて、標準化したものです。
「制定拳」のうち最も歴史が古く、最も普及しているのが「簡化24式太極拳」です。健康促進を目的の一つにしていることから、日本におけるラジオ体操と同じような位置付けにあると理解しても良いでしょう。
ただ、簡化24式も武術である太極拳を元にしているために、単なる表面的な動きではなく、武術的な意味合いもしっかりと残っています。
一般に24式といわれる場合には、この「簡化24式太極拳」を指していることが多いと思います。
そんなにいろいろな種類があるのなら、どこで何を学んだらよいの?と思われる方は、こちらのブログをご参照ください。
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