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修行中に学んだこと③ - 基本功

執筆者の写真: Mitch SatoMitch Sato

套路を学ぶ前提となるのが、基本功です。この内容はもちろんのこと、これをきちんとやることの重要性をきちんと理解できたことも、シンガポールの修行中に学んだことです。


呉式太極拳を学び始めた頃、うちの教室では、基本功と呼ばず、一連の動きをウォームアップと読んでいました。ストレッチみたいな動きが多いので、初めのうちは通常のウォームアップと同じで、怪我を防ぐために身体を柔らかくすることが目的なんだと思ってやっていました。


その当時から、ウォームアップは全て、108式套路の中にその動きが現れている、108式套路をやらなくてもウォームアップをやれば、運動としては十分だ、と師匠が言っていたのですが、全く心に響いていませんでした。意味がわからなかった時には、比較的単純な動きを回数を繰り返すだけの、単調な作業に思えました。


全部で15くらいの動きがあります。例えば、スクワット。前にこれがどんなものかは、このブログでも紹介しました。



ただ単に膝を曲げて腰を落とすだけの動きですが、きちんとできるようになるにはかなりの時間と労力を要します。そしてこれがどれだけ大切な動作であるかを理解するためには、さらに長い時間がかかります。


108式套路ときちんと向かい合うようになって、なぜ自分の動作が安定しないかを真剣に考え始めると、基本の大切さがわかってくるのだと思います。上記のブログでも書いた通り、私自身は、このスクワットが呉式太極拳を学ぶ上での、1丁目一番地だと考えています。


大切なことではあるのですが、やはり動きが単調で、しかも足腰に負担がかかるので、生徒さんからの受けはあまりよくないです。グループレッスンの時でも、正しい動きを求めてスクワットや他の基本功をやっている人は、ほとんどいません。そういう思いで基本功をできる人は、本当に太極拳の向上を目指している人だと思います。


ただ、套路の動きをトレースするだけでなく、套路の裏側にある基本的な動き、基本功のフルセットをきちんと学び、その大切さ、どうやったら正しくなるのかを学べたことも、シンガポールで修行したことの大きな資産です。


自分の教室でも、基本はしっかり教えていきたいと思います。回り道にはなりますが、砂の楼閣を作りたくはありません。でも、大多数の生徒さんに、つまらないから嫌だ、って言われたらどうするかは、これからの課題です。






 

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