「行功心解(ぎょうこうしんかい)」の全文を紹介する前に、このブログで使う漢字について少し説明します。
中国語で使われる漢字には、簡体字と繁体字の二つがあります。どちらも日本語の漢字とは似てはいますが、異なります(同じ文字もあります)。
繁体字は、今から1800年以上前の2世紀、漢王朝時代に作られたものだとされています。現在では、台湾、香港などで使われいます。
簡体字は、1950年代に中国で制定された比較的新しいものです。繁体字を簡略化したものです。中国本土の他、シンガポール、マレーシアなどで使われています。
書店に行って中国語の本を眺めていると、どちらの字体で書いた本も売っています。
簡体字の一例です。これぐらいだと中国語を学んだことがなくても認識できるのではないでしょうか。そう、「愛」です。以前読んだ雑誌で、中国の「愛」は心がない、なんて揶揄していました。
個人的には、日本人にとっては、繁体字の方が認識しやすいのではないかと感じますが、私は簡体字で中国語を学んでしまったため、繁体字で書かれている文書を読むときは読むスピードが落ちます。
日本語の漢字、簡体字、繁体字が全て異なる例です。権利の「権」の字です。
ちなみに、中国語には存在しない、日本語で作られた漢字というのも存在します。「咲」がその例です。
このブログで用いる中国語の文書は、簡体字で書かれているものが多いのですが、紹介するにあたっては、可能な限り日本語で用いられている漢字に置き換えたいと思っています。
前振りはこのぐらいにして、「行功心解」の全文を紹介します。明日以降のブログで、この文書を一つ一つ区切って説明を加えていきます。
(日本語の漢字を用いた表記)
以心行気,務令沉着,乃能收斂入骨;以気運身,務令顺遂,乃能便利従心。精神能提得起,則無遅重之虞,所谓頂頭懸也;意气須換得霊,乃有円活之趣,所谓変動虚実也。発勁須沉着松静,専注一方;立身須中正安舒,支撑八面。
行気如九曲之珠,無往不利;運勁如百錬鋼,何堅不摧?形如搏兔之鵠,神如捕鼠之猫。静如山岳,動若江河。蓄勁如張弓,発勁似放箭。曲中求直,蓄而後発。力由脊発,步随身換。收即是放,断而復連。往復須有折叠,進退須有転換。極柔軟,然後極堅鋼。能呼吸,然後能霊活。气以直養而無害,勁以曲蓄而有余。心為令,気為旗,腰為纛。先求开展,後求緊凑。乃可臻于缜密矣!
又曰:先在心,後在身。腰松,気斂入骨,神舒体静。刻刻在心。切記“一動無有不動,一静無有不静。”牽動往来気貼背,斂入脊骨。内固精神,外示安逸。迈步如猫行,動勁如抽丝。全身意在精神,不在気。在気則滞。有気者無力,無気者純鋼。気若車輪,腰如車軸。
(簡体字を用いた表記)
参考までに、簡体字で書かれた全文もご紹介します。
以心行气,务令沉着,乃能收敛入骨;以气运身,务令顺遂,乃能便利从心。精神能提得起,则无迟重之虞,所谓顶头悬也;意气须换得灵,乃有圆活之趣,所谓变动虚实也。发劲须沉着松静,专注一方;立身须中正安舒,支撑八面。
行气如九曲之珠,无往不利;运劲如百炼钢,何坚不摧?形如搏兔之鹄,神如捕鼠之猫。静如山岳,动若江河。蓄劲如张弓,发劲似放箭。曲中求直,蓄而后发。力由脊发,步随身换。收即是放,断而复连。往复须有折叠,进退须有转换。极柔软,然后极坚刚。能呼吸,然后能灵活。气以直养而无害,劲以曲蓄而有余。心为令,气为旗,腰为纛。先求开展,后求紧凑。乃可臻于缜密矣!
又曰:先在心,后在身。腰松,气敛入骨,神舒体静。刻刻在心。切记“一动无有不动,一静无有不静。”牵动往来气贴背,敛入脊骨。内固精神,外示安逸。迈步如猫行,运劲如抽丝。全身意在精神,不在气。在气则滞。有气者无力,无气者纯刚。气若车轮,腰如车轴。
これからもいろいろな話題を紹介していきます。
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