明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
年頭に当たって、自分の一年を占ってみました。今回は、携帯のアプリで誤魔化してやるのではなく、きちんと筮竹を使ってやりました。背筋を伸ばして、ちゃんと座って、心を落ち着けて、じゃらじゃらと筮竹をいじり、一つ一つの爻を出していきました。
易占いって、六つの爻を出すのですが、下から順番に決めていきます。卦の数は全部で64個。始める前は、64個全てが出る可能性があります。一番下の卦を決めると、それが32個に減り、その次が決まると16個に限定されます。下から順番に5個目まで決まると、最後の卦が陰か陽かの2つのどちらかになります。どちらかが良い卦で、もう一つがあまり良くないと、どうしても良い方が出て欲しいと心の中で思ってしまいます。
本日出た卦は、「沢火革」でした。単に偶然なのかもしれませんが、易って不思議だなぁって感じました。今年は、本帰国をして、自分の太極拳教室を始める変化の年。その年の占いが、「変革」を意味する「沢火革」。改めて来るべき変化と、それに対してしっかり対応する準備をするようにと易に言われているような気分です。
「沢火革」と言う卦、どんな意味かをもう少し説明します。動物の革(かわ)をなめす形に見えることから「革」と言う字が当てられたと言われます。上半分は、陽が2本ある上に、陰が乗っかっています。肉の上に、薄く乗っかっている皮を思わせます。それを下から火で炙っている、動物の皮をなめしている状態です。なめされた皮は元の獣皮と様子が一変することから、「変革」の意味が出てきます。
この卦が出た時には、「改革しようとする意図はみな大いに亨る。その動機が正しく、改革がみな当を得ている場合には、改革に避けがたい後悔も自然に消滅する。」と言う説明がなされます。
さて自分の現状に当てはめると、まさにその通りです。9年間滞在したシンガポールから日本へと本帰国し、いよいよ自分の太極拳教室を始めます。まさに「変革」の時。今までは習う立場であった自分が、今度は教える主体となります。自分のためにやってきた太極拳が、これからは他人の役に立つために教えるための太極拳へと変わっていきます。
易経を読んでいると、ただ単に、これからがどうなるかを聞かされるだけではなく、「哲学の書」として、自分が忘れてはいけないことに思いを馳せることになります。
易経にはよく出てくることですが、「動機を正しく」する必要があります。今回、太極拳教室を始める大きな目的は、お金儲けではなく、名声を得ることでもなく、自分の周りにいる人の健康に寄与して、役に立てるようにすること。この動機自体は、正しい方向に向かっていると思いますが、この動機を忘れないように、と言われていると感じました。ちょっとうまくいったからといって、金儲けに走らない、うまくいかなくても、元々の動機を見失わない、そういった基本的な態度を保ち続けることで、変化に伴って自分の中で起きる可能性のある後悔を消し去ることができます。
長年いたシンガポールを離れることで、今までよくしてくれた人々に対する想いが出てくることもあるでしょう。師匠から学びきれなかったことを発見すると、帰国したことを後悔することがあるかもしれません。そういった思いをなくすためにも、正しい動機を持ち続けて努力を続ける必要がありそうです。
易を読み始めた当時は、単に出てきた卦の良し悪しで、浮かれたり、沈んだりしていましたが、易経は、本当に単なる占いの本ではなく、哲学の本なんだと実感できます。
今年一年がどんな年になるのか、今から楽しみです。
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