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執筆者の写真Mitch Sato

褒められて感じる不安

個人レッスンで教えている生徒さんは、両手よりも少し少ないくらいの人数です。結構な金額をもらっているので、毎回、それなりに緊張して臨んでいます。グループレッスンと違って、個人の動きをしっかり見極めて、何を教えるのか、何を治さなければいけないのかを考えなければいけないので、精神的に疲れます。


半年近く教えているご夫婦がいます。年齢はちょうど私と同じぐらい、中華系のシンガポール人です。



毎週水曜日の午前中にレッスンを行います。本日のレッスンの際、普段は午前中は顔を出さない校長がひょっこり現れて、レッスンが終わったご夫婦と雑談を始めました。生徒さんはお客様なので、当然、レッスンの進み具合や、満足度合いなんかも聞いていました。


このご夫婦、それなりに満足してくださっているようで、詳細に教えてもらって、非常に満足していると答えてくれました。正直ホッとしました。良い関係は作れていると思っていたのですが、満足度あいをこちらから直接的に聞くことは今までしたことがありませんでした。


それに対して、校長から、非常に十分に経験のあるコーチで、他にもたくさんの生徒さんを持っている、きちんと教えてくれるのはわかっているが、満足してもらえて嬉しい、と言った感じの返事がありました。


これを聞いた瞬間に、なぜか不安になりました。何か言外の含みを感じた、と言うわけではなく、単純に、自分がやり残していること、もっと向上できることがあるのではないかと、感じました。


生徒さんは満足してくれていると言っても、彼らの套路の動きが十分に良いものになっているわけではありません。学び始めてからの期間がそれほど長くないので、仕方ない、と言って仕舞えばそれまでですが、学ぶプロセスだけでなく、結果で褒めてもらえるようになりたいと感じました。


私自身の経験がまだまだ十分でなく、どの程度学んだら、どの程度まで進んでいるはず、と言った尺度が十分に築けていないことも不安を感じる大きな原因です。


ともあれ、褒められて、天狗にならないようになったのは、少なくとも自分自身が成長したのだと思います。


最近はほぼ毎日個人レッスンを行なっています。一つ一つのレッスンを、手を抜かず、さらに良いものにしていきたいと思います。






 

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