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執筆者の写真Mitch Sato

水風井: みんなが集まれる静かな場所

ちょうど1年くらい前から毎日卦を立てて記録をしています。本当なら、筮竹と呼ばれる棒を使ってじゃらじゃらと落ち着いてやりたいのですが、毎日続けるために、携帯のアプリの乱数を使って簡易的にやっています。


それでも毎日出てきた卦の中身を読んでその日の生活に役立てるのは悪くないです。


1年間毎日欠かさずやっていくと、出てきた卦の数は365個ということになります。易経に示されている卦の数は64個。1年間続けるとそれぞれの卦が平均で5.7回出ることになります。


実際には統計の理論通りにはならず、一つだけ突出してよく出ている卦があります。平均が5.7回のところ、すでに13回も出てきました。きちんと計算したわけではないですが、こんなことが起こるのは2%にも満たないのではないかと思います。


こんな確率で出てくれている卦は、その内容を自分がよほど意識をしなければいけないよ、と言われているような気分になります。


その卦とは、「水風井」です。


見ての通り、井戸の「井」です。井戸は、人が集まるところ、村の区画が変わっても変わらずにい続ける存在です。井戸は、水を汲んだり、飲んだりするために必要があって集まるところです。そこから、生徒さんが必要を感じて集まってくれるような教室を作れ、と言われているように感じます。なんとなく通うだけではなく、通い続けることによって何か利益を感じてもらえるような教室にしたいと常々思っています。


井戸を覗いてみると、水面は静かに落ち着いています。夜であれば、月が映るようなこともあるかもしれません。そんな感じの静かで、落ち着いた環境を提供できるようにしたいと思います。スタジオを併設している自宅が閑静な住宅街にあるおかげで、物理的にはこれをかなり満たしていると思います。


おかげさまで、ずいぶん多くの生徒さんが集まってくれました。井戸は、周りが変化しても変わらないところ。教室も今のまま、欲を出さずに変わらずレッスンを提供していくことを求められている気がします。


この卦の説明に、井戸から水を汲むときに、汲み上げる前にツルがきれるようなことがあってはいけない、とあります。ここから、常に努力をし続けること、九仞の功を一簣に虧くようなことがあってはならないという意味もあります。


生徒さんが増えてきても、変わらず努力を続けなさい、と言われているように感じます。


卦の原典である易経は、占いの本であるのと同時に、思想哲学の書とも言われています。こんな感じで一つ一つの卦を読み解いていくと自分の進むべき方向を教えられる気分です。




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