太極拳の教え方も色々とあります。私自身も経験したことがありますが、とりあえず見よう見まねで真似てみて、っていう教え方をしているところは結構あると思います。あまりあれこれ言わないし、先生の隣で生徒さんが一所懸命、動きについていこうとする感じの教え方です。
東京にいた頃、通っていた太極拳教室は、先生が生徒さんの体に触れて修正をすることは滅多に無かったし、する場合でも、やむを得ず、って感じで、おっかなびっくり触っている感じでした。
うちの先代の師匠は、3回デモをやって、そこから学びとれ、っていう姿勢だったそうです。一人では全て掴み切ることはできないので、何人かでチームを組んで、それぞれ注目するパーツを決めて詳細に見ようと試みたと私の師匠が言っていたました。足の動きを見る人、手の動きを見る人、上半身、下半身等々、分けてみていたそうなのですが、後でそれを一つにまとめるのも大変だったと思います。
今私のいる学校は、先日来のブログにも書いた通り、デモをやって何と泣くのイメージを掴んでもらった後、まずは足の動き、その次は手の動き、そして両方を合わせていく、っていう順序で進むのが通常です。
姿勢とか、体重のかけ方を重視しているので、実際に生徒さんの体に触って修正を加えるのも頻繁に生じます。きちんとしたバランスを保つためには、ミリ単位の修正が必要です。外部から完璧にミリ単位の修正を加えるのはかなり困難なのですが、生徒さんの感じ方のヒントに少しでもなればと思っています。
生徒さんの体に触るって、初めの頃は結構緊張しました。どの程度修正していいかも十分には把握できていなかったですし、他人の体に触るっていうことに抵抗もありました。
それは、生徒さん側にも当てはまる話で、訳もわからず体を触られることに抵抗感を感じる人も少なからずいます。教える側が生徒さんの信頼をしっかりと獲得していれば、問題になることはあまりないのだと思っていますが。
最近新しく個人レッスンを始めた女性の生徒さんがいます。一度目のレッスンが終わった後、その方が学校に電話をしてきました。男性と二人だけになるのは何かあったら嫌なので、コーチを複数にすることは可能か、という問い合わせでした。
その電話がかかってきた時、私も近くにいました。ただ、会話が中国語だったので、中身はよくわかりませんでしたが、あまり良いことではなさそうだと話している雰囲気で感じました。
電話が終わった後、学校から内容の説明がありましたが、表面的な話だけで、問題が何だったのかとか、どう改善したら良いか、っていう話はありませんでした。この辺が外国にいてイライラが溜まりやすいところですね。近くで会話を聞いていた私は、内容がわかっているだろうと考えてしまうのでしょう。
問題の核心がわからないので、何を改めて良いのかわからない。正直、この生徒さんに教え続けることに不安を覚えました。学校から大した問題ではないので、このまま続けろ、と言われても、問題が全くないなら、なんでそんな電話をわざわざかけてきたのだろう、って勘ぐりたくなります。
でも、今回は開き直りました。わからないなら、わかろうとする努力はしない。大丈夫だと言われるなら、何も変えず、今まで通りでいこう、と決めました。
本日、その生徒さんの個人レッスンがありました。その方、そんな電話をしたことも感じさせず、電話をしたことで私が不安を感じているといったことを危惧している気配すら感じさせず、あっけらかんと雑談を始めて、そのままレッスンが始まりました。
確かに今回は大した問題では無かったのかもしれませんが、生徒さんの体に触れる際には、必要以上にならないように、変な誤解を生まないように、常に意識をしなければいけないと、改めて思いました。
こちらは生徒さんのために修正をしようと思っているのに、それを額面通りに取ってくれるとは限りませんし、一度誤解が生じると、それを解くのは大変な労力が必要です。
今のシンガポールの学校では、誤解が生じた時のためにと、教室中を見渡せるように監視カメラが設置されていますが、日本ではそんなことはしたくないし。でも自分を守るためには必要なのかなぁ、と考えてみたり。
最後は、生徒さんとの信頼関係だと思っています。もし問題が生じるようなことがあれば、それは自分が生徒さんに十分には信じてもらえていなかったのだと思えるようになりたいです。
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